再びゴッホがやってきた!
さてさて今回はただのゴッホ展じゃないんだなぁ〜。
ゴッホコレクターとみる「ゴッホ展」、はじまるよ〜。
企画展情報
名称:ゴッホ展 響き合う魂 ヘレーネとフィンセント
会場:名古屋市美術館
会期:2022年2月23日〜4月10日
チケットは完全予約制です。
日時指定で、予約した時間帯に入る感じになります。適度な人入りでした。
当日でも購入可能で、公式Twitterからチケット状況がざっくり分かりますよ。
開館時間は9時半〜17時、金曜日はお決まりで20時までやっております。終了30分前に入口閉まっちゃうのでお気を付けつけて。
展示作品について
『世界一のゴッホコレクター』
ヘレーネ・クレラー=ミュラー。多くのゴッホ作品を集めてきた個人収集家だそうです。作品を集め、また広く伝えていくことを夢に見、そしてオランダにて美術館を建てた功績者です。
彼女が美術の世界に足を踏み入れたのは、美術教師の講義を受けてから。そこから収集家となるまで、ゴッホのみならず多くの作家作品を夫婦で集めてきたそうです。
(キュビズム、新印象派、写実主義、イタリア未来派などなど……本当に色々な作品への関心が高かったようです。)
私の大好きなモンドリアンのコンポジションシリーズも一枚展示されておりました(余談)。
余談ついでに…
ヘレーネ夫妻が購入したゴッホの作品変遷が紹介されてます。
いつの時期に、どのタイトルをいくらで購入したか、がわかる系譜です。当時の金額も載ってて、ざっと計算すると円換算で六億いくんですよね……。
一体どこからそんな資金を用意したのか。震える金額です。
展示とは別でめちゃくちゃ面白い紹介コラムなので、ぜひチェックしてみてください。私はコラムの前でスマホの計算機ぽちぽちしてましたけど、結構みんな素通りだったので……(笑)。
ハーグ時代前のゴッホ
以前観に行ったゴッホ展に対して、ここではゴッホが画家を目指した頃の初期の素描が多く紹介されていたことです。
だいたい1880年代の初めくらいから。ハーグ時代で農作のテーマに触れる前のゴッホの絵は、人の姿をとる線が濃厚で、どこか漫画やイラストレーションを感じさせる印象を受けました。
のちの『悲しむ老人』のポージングでデッサンされた作品があります。それは晩年のゴッホにみる筆のタッチではなく、人の形をしっかり写しとったような作品だなぁと。これから画家として生きていこうと考えるゴッホの行動の強さ(?)が滲んでいるようです。
いや、単に習作としての結果なのかも?
名高き『夜のプロヴァンスの田舎道』
今回の名作のひとつでもある『夜のプロヴァンスの田舎道』です。
前回のゴッホ展でも覚えましたが、サンレミ療養院時代に描かれた作品にはすでに日本画の影響を受けた様子で、この作品でもその要素を感じ取れたかなと思います。
糸杉のモチーフが多いこの時期の作品ですが、この絵の中に描かれている糸杉っぽいものは、より繊細な印象を受けました。どう違うねんと言われても困りますが(笑)。
まるで童話に出てくる一枚像のようです。「ジャックと豆の木」の豆の木がよりノスタルジックになったようなイメージ。絵の上を突き抜ける糸杉と馬車、歩く男たち。暗い夜でも月の明かりに照らされてとても穏やかな空気に包まれています。やはり逸品です。
終わりに
いや、楽しかった。
じっくり観る時間を取れなかったのが残念でしたが、好きなものを心ゆくまで楽しむということは、とてもすこやかなことだと思います。
それはきっとゴッホだけじゃなくて、自身のクリエイティブな何かを表現する方々の発信力に反応しているからなのかもしれませんね。
それではまた次の記録が残されるまで、またね〜。
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