vol.1「みんなのレオ・レオーニ展」

アート

みなさんこんにちは、inhです。

読み方が謎なことと思います。実は私本人も明確に決めてはいないのですが。音読みで「いにふ」とする場合が多いので、ここではそれで通していこうと思います。

このブログでは初投稿ですので、簡単に自己紹介をば。

愛知県内でお勤めしてます。学生時代までは都内の大学で文学と社会学、メディア論、美術論を漁ってました。他学部履修とは、なんて素敵な制度なのでしょう。

美術やデザイン性のあるものが好きで、美術芸術が好きな人向けに、興味をもったor足を運んだ企画展などを紹介したいと思います。簡単に、個人的視点で、おすすめできそうなポイントがあればその点もまとめたいですね。

……紹介という言葉はちょっとおこがましい気もするので、鑑賞記録って感じかな。


さて今回の企画展は、『みんなのレオ・レオーニ展』です。

みなさんは、レオ・レオーニーーファミリーネームを“レオニ”と言うこともありますがーーご存知でしょうか。絵本作家、イラストレーター、グラッフィックデザイナーとして活躍し、多様な手法技法で名作を残した方です。特に有名な作品は『スイミー(Swimmy)』

子どもの頃に読んだ方は多いと思います。この企画展には英題がありまして、『Reading Leo Lionni, Again.』と与えられています。「もう一度、レオ・レオーニ(の作品)を読んで」、振り返ってみようってことらしいです。

周知の方はきっと楽しめると思います。童心が楽しげに帰ってくるから。絵本っていうのは大人になっても楽しめるんですよね。大人の絵本があるくらいですから。

そういう意味では、あまり美術に興味のない人でも、気軽に行けるんじゃないかな。

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企画展情報

開催概要などをまとめます。

開催概要

名称:みんなのレオ・レオーニ展

会場:損保ジャパン日本興亜美術館(損保ジャパン日本興亜ビル内、42階)

会期:2019年7月13日~9月29日

新宿駅西口から、コクーンタワーの方へ進んでいくと、1階か地下1階からエレベーターを使って会場階まで行けます。私は地下通路を利用して地下1階から入りました。雨の日でも傘なしで辿り着けます。

※受付の方に許可をもらって掲載しています
受付を過ぎるとフォトスポットが。
このネズミたちも作中キャラクターとして登場するよ!

大小のインスタレーションを含めて、絵本に関わる習作、原画、複製画、絵本以外の作品も観れました。時々展示用の絵本コーナーがあって、座ってゆっくり読むことが可能。

遅めですが、9月7日土曜日に行きました。開場と同じくらいの時間に入ったけど、どのポイントも家族で来た小さな子どもが絵本に集まってたなぁ。

広告やポスター、挿絵に使われた作品もありまして、個人的にはそれが気に入りました。というのも、物語が与えられる絵本とは異なる商業寄りな物だけど、レオーニのグラフィックにはちゃんと物語性が込められているんだなと感じさせられた点にあります。初めてレオーニのグラフィックをみた、という理由もあるけど。展示内に流れていたインタビュー動画に、「ぼくは1枚の絵にも物語を考えるんだよ」的な発言をしていたので、そう思わされたのかもしれない。……でもなにより、シンプルで抽象的で、色遣いがとっても私好みだったのが最もな理由かな。

展示作品について

作品たちについて、さらに触れていきます。

最初はインスタレーション作品について。これらは、レオーニの作品を振り返って、かつ作品をモチーフに、作られていました。インスタレーションは鑑賞だけじゃなくて体験できる型があるから楽しいよね。(私は体験型も、他の人たちがプレイしているところをすみっこでぼーっと眺めているのがすきです。)映像と音声を組み合わせた作品があって、印象的なひと組の親子さんを見ました。お父さんがしれっと体験しているのに対して、娘さんは人目が恥ずかしいのかお父さんとやるのが微妙なのか(ごめんなさい)乗り気じゃなくて軽い相づちを打ちまくってました。わかりみ……じゃなかった、微笑ましいと思いました。

次に鉛筆画についてですが、線がとってもなめらか!   鉛筆画ってデッサンのこと?   と思う方に簡単に補足すると、鉛筆画は鉛筆を材料に描いた絵のことで、水彩画や油彩画と同じ集合関係です。デッサンは対象物をより正確に捉える訓練のために描くので、作品とするには難しいような気がします。

話がそれましたが、鉛筆って本当に表現豊かに使えるものなんだなって改めて実感しました。とても緻密で艶やかで、素朴さもあって。レオーニの絵本にも鉛筆で描かれた作品もあるので、気になる方は調べてみてください。

さらに彫刻についても記したいと思います。レオーニの彫刻があるとは!   考えてもみませんでした。レオーニは架空の植物たちをいくつも創造して「平行植物」シリーズと銘打っています。これがまた幻想的な作品たちで、ファンタスティックな世界観が好きな方は惹かれること間違いなし。『向月葵(ジーラ・ルーナ)』というお花の絵が中心的な存在として描かれていました。向日葵の異種みたいな感じですよね。あの絵の構成は植物と土との関係が強い意味を持っているようでした。

……うーんやっぱり評論家のようにビシッとした言葉が出てきません。平行植物シリーズも一度お目にかかることをおすすめします。書籍もあるそうです(超面白そう!)。

インタビュー動画について

絵本作家として有名なのに絵本以外の要素をたくさん綴ってしまいました。だってあまり見れないものだったんだもの。

そういえば、企画展の協力元の中にレオーニのお孫さんにあたる方の名前が連なっておりました。本職まではわかりませんが、レオーニの功績を守るような立場なのでしょう。展示されているインタビュー動画で、そのお孫さんがエリック・カール氏との対談がありました。急に誰かと思うかもですが、『はらぺこあおむし』の作者さんです。カール氏のレオーニによるサクセスストーリーはそこそこ有名な話ですね。

そうそう、レオーニ本人によるインタビュー動画もありました。お人柄を知る機会になりましたね。気さくで茶目っ気あふれるおじいさまのインタビューでした。こんなおじいちゃんが絵本作ってくれるなんて。しかも実際に活動しているイタリア・トスカーナのアトリエ風景はさながら美術館のようでした。うらやましい……最高だと思います。映像の中で自伝があるようなことを言っていたので(平行植物の書籍のことかな?)、今度探してみようと思います。翻訳あるのかな。レオーニは少年時代に国を転々として暮らしていたみたいで、いろんな言葉が話せるとか。英語ならまだしもフランス語だったらどうしよう、自信はないですねー。

おまけの話

これでもかとレオーニの世界を堪能して、あー満足とEXITに向かって進むと……いやはやマーケティングっていうのは本当にどうしてオイシイ場所を狙えるんでしょうね。ショップが広がっておりました。いつもは鑑賞記念・部屋に飾る用にポストカードを買うんですけど、アレを見つけた途端にポストカードは無視しました。ここで手に入るとは思わなかった。なんだと思います?   答えは絵本でした。でもただの絵本じゃないんです、翻訳されていない原文のです。これには感動さえ覚えました。だって、かねてより観に行くことを待ち望みしていて、やっと行くチャンスができた暁に、企画展のショップであっさりお目見えできるなんて。前に行った海外絵本の企画展ではなかったサービス、もといサプライズです。

迷いましたが、『スイミー』と、カメレオンが色いろ探す『じぶんだけのいろ』の2冊を購入しました。『じぶんだけのいろ』は私が愛する作品のひとつです。色のにじみ表現がお気に入り。

しれっと購入品紹介(笑)。鑑賞用になりそうです。

ちなみに、ショップは7階会場横と1階特設スペースに分かれて営業してました。(1階の方が品揃え抜群だった。絵本も1階、ポストカードは7階ね。クレジットカードは1階では使えませんって張り紙があったよ)。

終わりに

とまぁこのような具合で、めちゃくちゃ楽しんできたわけで。

ショップでは結構お金落としてきました(笑)。いいさ、心が充足感で満ちてるし。

子どもの頃よく絵本を読む子だったけど、大人になるにつれて縁遠くなってしまった私には懐かしくて、改めて良かったと思ってます。

レオーニの作品には塗りやコラージュが組み合わさっていて、作り手の視点から見てもとても勉強になるものばかりですね。少なくとも私はそう思います。

現代になってもこうして子どもが絵本を読んで、記憶に残していくというのは……冥利に尽きるような感じなんでしょうか。

老年になっても作品を残してきたレオーニをぜひ見習いたい。

では、次の記録が残されるまで、またね~。

※注意書き

暗黙の了解ではありますが、初回ということで明示させていただきます。 筆者は趣味嗜好の範疇で好きな分野についてまとめるけど、学術的な評価、評論や美術史による見解といった知識はありません。 学生時代の知識は深く眠ってしまっているし……多少は引用したり興味がわいたら調査したりもするけど、名だたる評論家、著名人が展開した意見やメディアに残した感想よりも価値や信憑性はずっと低いものです。 長いツイッターの投稿みたいなに捉えて頂けたらよいのかなと、ふと思いましたとさ。

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